研究プロジェクト

現在進行中のプロジェクト

研究代表者

令和3(2021) 科学研究費補助金・基盤研究(B) [研究課題/領域番号:21H00545]

中学英語はいかに定着するか:言語処理技術を援用した学習システム開発と脳科学的検証

【概要】

グローバル化の進展に伴い,日本人の英語運用能力の育成は日本の国際競争力の強化の一翼を担う重要な課題である。しかし,基盤となる英語力(中学英語と定義)が十分に定着していないことが日本人の英語運用能力の効率的な伸長を阻んでいる決定的要因であると言える。
本研究は,日本人英語学習者を対象として,知識コミュニケーション技術を援用したトップダウン型タスクおよびインタラクティブ・フィードバックによる学習を伴うトレーニングシステムのパイロット版を開発し,基盤的英語力にかかる言語知識および運用スキル獲得に及ぼす効果を,心理言語学実験によって言語処理行動の変容を捉えるとともに,脳活動計測によって言語処理プロセスの神経基盤の変容を捉えることで明らかにしようとするものである。
これは学習者の熟達度や行動・脳活動の変容に基づいてフィードバックやインターラクションを行う学習トレーニングシステムの開発をめざしたものであり,個別最適化学習の実現に直結するものである。

【研究組織】

研究代表者 横川 博一 神戸大学・大学教育推進機構・教授
研究分担者 中村 哲 奈良先端科学技術大学院大学・データ駆動型サイエンス創造センター・教授
島田 浩二 福井大学・子どものこころの発達研究センター・助教
田中 宏季 奈良先端科学技術大学院大学・先端科学技術研究科・助教
鳴海 智之 兵庫教育大学・学校教育研究科・講師
濱田 真由 神戸大学・大学教育推進機構・助教

令和3(2021)年度 神戸大学産学連携共同研究

株式会社With The World が展開する国際交流プログラムにおける評価システムの構築

【概要】

本研究は,With The World が展開する国際交流プログラムが,外国語によるコミュニケーション能力の向上においてどのような有効性があるかを,プログラムにおける参加者のやりとりなどの談話分析による有効因子の抽出,Versant Speaking Test等による心理言語学的言語運用能力の変容,パフォーマンステストによる実社会での実用度などの観点から分析・検証するとともに,プログラムの評価システムを構築しようとするものである。
その成果は,With The World が展開する国際交流プログラムのさらなる改善へのフィードバックのみならず,学校英語教育において「主体的・対話的で深い学び」を促進する授業実践に対しても有効な知見を提供するものと期待される。

【研究組織】

研究代表者 横川 博一 神戸大学・大学教育推進機構・教授
研究担当者 五十嵐 駿太 株式会社 With The World 代表取締役社長

研究分担者

2020-2023年度 科学研究費補助金・基盤研究(C)[研究課題/領域番号:20K00832]

日本人英語学習者の文産出時の統語処理:累積的な統語的プライミング効果の観点から

【研究組織】

研究代表者 濱田 真由 神戸大学・大学教育推進機構・助教
研究分担者 横川 博一 神戸大学・大学教育推進機構・教授

2019-2020年度 科学研究費補助金・基盤研究(C)[研究課題/領域番号:18K00739]

日本人英語学習者の音声文理解における言語情報処理:聴解時のタスクに焦点を当てて

【研究組織】

研究代表者 鳴海 智之 兵庫教育大学・学校教育研究科・講師
研究分担者 横川 博一 神戸大学・大学教育推進機構・教授

2016-2021年度 科学研究費補助金・基盤研究(C)[研究課題/領域番号:16K02944]

外国語(英語)リスニングの自動化プロセス:音声の知覚単位と母語干渉の観点から

【研究組織】

研究代表者 菅井 康祐 近畿大学・経済学部・教授
研究分担者 横川 博一 神戸大学・大学教育推進機構・教授

過去の研究プロジェクト

研究代表者

2015- 2018年度 科学研究費補助金・挑戦的萌芽研究[研究課題/領域番号:15K12911]

日本人英語学習者の文構造親密度データベースの構築

【概要】

学校英語教育において、中学校・高等学校を通じてコミュニケーションの中で基本的な語彙や文構造を活用する力が十分身についていないことが指摘されており(中央教育審議会)、言語運用能力の育成において文構造に習熟することがきわめて重要であることが、学習指導要領でも言及されている。
文構造の習得は、言語情報処理の自動化と密接にかかわる問題であるため、平成26~30年度採択の科学研究費挑戦的萌芽研究「日本人英語学習者の文構造親密度データベースの構築」(研究代表者)では、日本人英語学習者を対象として、英語の「文構造」に対する親密度(familiarity)データベースを構築した。基本的な文構造の学習を一通り終えた大学生260名を対象に、5つの項構造カテゴリを選定し、全50動詞について、現在時制文、過去時制文、現在進行相文の3種類を作成し、計150文をカウンターバランスをとって計6リストを作成した。協力者には、当該の文構造を見かけると感じる度合いによって7段階(7「とてもよく見かける」~1「まったく見かけない」)で評定してもらった。
その結果、項構造カテゴリによって親密度が異なり、動詞の親密度と文構造親密度は必ずしも相関しないこと、テンスやアスペクトによって親密度に違いがみられる文構造とみられない文構造があること、文構造親密度評定にばらつきの大きい動詞と小さい動詞があることなどが明らかになった。また、このパイロットデータを用いて,文構造親密度と言語理解・言語産出の関係について調査を進めている。

【研究組織】(※所属・職位は当時)

研究代表者 横川 博一 神戸大学・大学教育推進機構・教授
研究分担者 籔内 智 京都精華大学・人文学部・准教授
原田 康也 早稲田大学・ 法学学術院・教授
里井 久輝 龍谷大学・理工学部・教授
板東 美智子 滋賀大学・教育学部・教授
橋本 健一 大阪教育大学・教育学部・准教授
鳴海 智之 兵庫教育大学・学校教育研究科・講師

2014- 2019年度 科学研究費補助金・基盤研究(A)[研究課題/領域番号:26244031]

学習による気づき・注意機能および相互的同調機能と第二言語情報処理の自動化プロセス

【概要】

言語情報処理の自動化に気づきや注意、相互的同調機能が果たす役割に注目し、骨科研プロジェクトでは、相互的同調機能を支えるメカニズムの一つである統語的プライミング現象は、その言語が理解可能な場合には音声言語産出においても発現すること、言語理解における統語構造および意味構造の対応付けがどの程度できるかは学習者の熟達度によって異なるが、プライミングの手法を用いた同一の文構造への繰り返し接触によって、統語構造の抽象的表象が獲得され、統語構造と意味役割の対応付けにかかる処理の潜在学習が進む可能性があること、などが明らかになった。

【研究組織】(※所属・職位は当時)

研究代表者 横川 博一 神戸大学・大学教育推進機構・教授
研究分担者 定藤 規弘 生理学研究所・システム脳科学研究領域・教授
吉田 晴世 大阪教育大学・教育学部・教授
原田 康也 早稲田大学・ 法学学術院・教授
田邊 宏樹 名古屋大学・情報学研究科・教授
橋本 健一 大阪教育大学・教育学部・准教授

2009- 2013年度 科学研究費補助金・基盤研究(A)[研究課題/領域番号:21242013]

外国語運用能力の熟達化に伴う言語情報処理の自動化プロセスの解明

【概要】

私たちは、外国語学習者の語彙・文法にかかわる言語知識とリアルタイムの処理過程について心理言語学的行動実験を通して明らかにすることに取り組んできた。外国語習得に重要な役割を果たす言語処理の自動化プロセスの認知メカニズムの解明をめざして、本研究プロジェクトでは、心理言語学的行動実験およびfMRIや脳波計測など脳神経科学的手法を用いて研究を進め、音声・意味の連合学習における発声模倣・反復の脳内処理、文理解・文産出における統語処理の困難性、経験による繰り返し接触によるプライミング効果の発現と脳内統語表象の強化、音声言語処理における産出・理解の神経基盤の相互関連性などを明らかにした。

【研究組織】(※所属・職位は当時)

研究代表者 横川 博一 神戸大学・大学教育推進機構・教授
研究分担者 定藤 規弘 生理学研究所・システム脳科学研究領域・教授
吉田 晴世 大阪教育大学・教育学部・教授
原田 康也 早稲田大学・ 法学学術院・教授
田邊 宏樹 名古屋大学・情報学研究科・教授
林 良子 神戸大学・国際文化学研究科・教授
松本 絵理子 神戸大学・国際文化学研究科・准教授
吉冨 朝子 東京外国語大学・総合国際学研究院・教授
東矢 光代 琉球大学・法文学部・准教授
村上 正行 京都外国語大学・マルチメディア教育研究センター・准教授
籔内 智 京都精華大学・人文学部・准教授
菅井 康祐 近畿大学・経済学部・准教授

2005- 2007年度 科学研究費補助金・基盤研究(C)[研究課題/領域番号:17520378]

大学導入教育における英語スタディ・スキルズ育成のためのカリキュラムおよび教材開発

【概要】

本研究は、大学入学時の導入教育(とくに大学1年次生)における英語によるスタディ・スキルズ育成のための、カリキュラム・シラバスの策定およびマルチメディアの積極的な活用を念頭に置いた教材の作成、授業運用をめぐるノウハウの蓄積を行うことを目的とするものである。新しい時代の大学英語教育のあり方を模索する一つの研究として、大学導入教育レベルにおける英語によるスタディ・スキルズの習得を目指した教授と学習に関する基礎的研究を行いつつ、教材開発を行った。
本研究の特色は、(1)大学における導入教育時に焦点をあてたこと、(2)既習の英語という言語を教えること、個人の学力差、学習者のニーズの多様化、専門課程への橋渡しなどの点に対応できる英語教育を、大学における導入教育に位置づけ、具体的な研究に取り組んだ点、(3)英語という特定言語の教育にかかわる問題を扱うのであるが、研究組織のメンバーは,言語教育のみならず、心理言語学、コーパス言語学、社会言語学など専門分野は多岐にわたり、また、教育工学を専門とする者との共同でカリキュラムおよび教材開発を行った、という点である。
具体的には、10のLanguage Skillsを設定し、それを中核に据え、IT-Related Skills, Sound Focus, Grammar/Vocab Focus, Your Projectの観点からカリキュラムを編成した。それに基づき、『First Steps in Academic English Skills-英語アカデミック・スキル入門』というパイロット版の教材を開発した。

【研究組織】(※所属・職位は当時)

研究代表者 横川 博一 神戸大学・大学教育推進機構・教授
研究分担者 内田 充美 大阪府立大学・人文社会学部・准教授
山内 真理 神戸海星女子学院大学・国際英語メディア学科・講師
村上 正行 京都外国語大学・マルチメディア教育研究センター・准教授
TIMOTHY GREER 神戸大学, 国際コミュニケーションセンター・准教授

研究分担者

2015-2020年度 科学研究費補助金・基盤研究(C)[研究課題/領域番号:15K04269]

LTDおよび反転授業に着目したクリティカル・リーディング力育成プログラムの開発

【概要】

本研究では、学士課程教育全般に必要とされる読解力、とりわけクリティカル・リーディング(分析的読み)の力に注目する。そして、読解力の向上に必要な要素を導き出し、その要素を向上させるための効果的な教授法を開発する。具体的には、LTD(Learning Through Discussion)と反転授業を組み合わせた予習法を新たに開発し、教授法へ盛り込んでいく。教授法の開発にあたっては、国語教育、日本語教育、英語教育の各分野での実践例、さらには心理学的なアプローチも加え、有機的かつ総合的な教授法を開発・実践していく。また、「読解力の向上に比例して他科目の力も向上する」という仮説についての検証も行いたい。

【研究組織】

研究代表者 上村 和美 関西国際大学・人間科学部・教授
研究分担者 横川 博一 神戸大学・大学教育推進機構・教授
堀井 祐介 金沢大学・高等教育開発・支援系・教授
成田 信子 國學院大學・人間開発学部・教授
米田 薫 大阪成蹊大学・教育学部・教授
伊藤 創 関西国際大学・国際コミュニケーション学部・准教授
西川 真理子 流通科学大学・経済学部・特任教授
井上 加寿子 関西国際大学・教育学部・講師

2010-2014年度 科学研究費補助金・基盤研究(C)[研究課題/領域番号:22530840]

大学初年次でのクリティカル・リーディング力育成カリキュラムと教材開発に関する研究

【概要】

本研究では、学力低下が叫ばれる大学初年次段階の読解力、とりわけクリティカル・リーディング(分析的読み)の力に注目する。まず、読解力の要素としては、①言語知識、②局所的理解、③全体的理解、④表現力があるとし、それらの検証のために「読解力診断テスト」を開発し、試験的な実施へとつなげた。この実施では3大学241名が受験した。特徴的な結果としては、読書頻度と総得点との関係では、読書頻度が高い解答者ほど得点が高く、図書館や書店の利用頻度が高いほど得点が高いことがわかった。

【研究組織】

研究代表者 上村 和美 関西国際大学・人間科学部・教授
研究分担者 西川 真理子 流通科学大学・経済学部・特任教授
堀井 祐介 金沢大学・高等教育開発・支援系・教授
成田 信子 國學院大學・人間開発学部・教授
米田 薫 大阪成蹊大学・教育学部・教授
横川 博一 神戸大学・大学教育推進機構・教授
連携研究者 藤木 清 関西国際大学・人間科学部・教授
井上 加寿子 関西国際大学・教育学部・講師

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